コラム
2021年11月4日(木曜日)
休職と休業
休職とは、従業員としての地位は継続したまま、執務のみを禁止することを言います。 従業員の希望により業務を免除する場合もあれば、会社側が業務を拒否することもあります。公務員は法律で休職に関する定めがありますが、民間企業の場合は特に法律には定めがないため、就業規則等で定めをしていることが一般的です。 会社は従業員の労務の提供に対して賃金を支払うため、休職中は原則として賃金は発生しません。ただ、社会保険に加入している場合は、継続して社会保険料を支払い続ける必要があります。 会社として休職制度を設けるメリットとして、従業員の雇用を維持することと、もし休職期間を経ても労務の提供が難しい場合には、退職となる旨をあらかじめ就業規則に定めておくことで、解雇のトラブルを未然に防ぐことにもな...続きを読む
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2021年11月2日(火曜日)
ストレスチェック
2015年12月~労働安全衛生法が改定され、労働者数が50人以上の事業所では、ストレスチェックの実施が義務化されました。年に1回ストレスに関する質問票を労働者に配布し、記載してもらった内容を集計・分析することでストレスの状態を調べるテストです。契約期間が1年未満の労働者や、通常の労働者と比較して、所定労働時間が4分の3未満の短時間労働者は対象外です。ストレスチェックの結果、ストレスの状態が高いと認められた場合には医師の面接を受けたり、会社に仕事の軽減を実施してもらったり、メンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みです。対象となる「50名以上」には、勤務時間や日数に関係なく、継続して雇用するすべての労働者を含んだ人数です。原則として派遣労働者も含みます。ストレスチェックの対象になる労働者...続きを読む
コラム
2021年11月1日(月曜日)
内定とは
「採用」と言っても、企業によっては様々な段階があります。内々定→内定→試用期間→本採用となる場合もあれば、採用=本採用という認識の場合もあります。日本の労働法は、「解雇」に対して非常に厳しく制限しているため、一度採用すると、「能力が不足している」というような理由で従業員を解雇することは簡単ではありません。内々定には、あまりハッキリとした定義はないようですが、内定に関しては、内定が出た時点で雇用契約は成立しているものとされ、客観的にみて合理的で、社会通念上相当といえる事由がなければ、取り消すことはできません。ただ、一定の留保付きの解約権を有しているとも考えられ、取り消しが一切認められない訳ではありません。例えば、新卒採用の場合で、大学を卒業できなかった場合や、健康上の問題が発覚した場合で、業...続きを読む
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2021年10月28日(木曜日)
任意継続被保険者
会社勤めで社会保険に加入していた方が退職した場合、次の職場で加入するまでに日があく場合は国民健康保険に加入するか、誰かの扶養に入る他に、任意継続被保険者になるという選択肢があります。勤め先での収入が多かった場合や、扶養親族が多い場合には、国民健康保険料が高額になりますので、任意継続被保険者になった方が負担を抑えらえるケースがあります。国民健康保険に加入するまでに、市町村の窓口で保険料がいくらになるのかを確認し、保険料の低い方を選択すれば良いかと思います。任意継続被保険者になるためには、資格喪失日の前日までに継続して2か月以上の被保険者期間が必要です。加入できる期間は最大で2年間です。保険料の納付は、口座振替か納付書による振込みか選択することができます。退職される方から、質問を受けることもあ...続きを読む
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2021年10月27日(水曜日)
産前産後の就業制限
「使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に」出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない」「使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差支えない」産前6週間は、「請求した場合においては」となっているため、本人が希望するのであれば、就業していても問題ありません。産後は、原則として8週間は就業できないことになっていますが、6週間を経過すれば一定の要件を満たせば就業することが可能です。また、妊娠中の女性が請求した場合には、作業の内容を軽易なものに転換させなければならないことも定められています。※労働基準法第65条...続きを読む
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2021年10月24日(日曜日)
社会保険と国民健康保険の違い
会社員や公務員が加入する社会保険と、自営業者などの社会保険に加入していない方が加入する国民健康保険。どんな違いがあるのでしょうか。まず運営元が違います。社会保険は協会けんぽ(全国健康保険協会)や健康保険組合です、国民健康保険は市町村が運営していますので、手続きの際の窓口も異なります。【窓口】社会保険・・・協会けんぽの他、年金事務所や日本年金機構の事務センターの場合もあります。国民健康保険・・・区役所の国民健康保険課など加入者にとって最も大きな違いは、保険料と扶養制度の有無だと思います。社会保険料は、被保険者の給与等を基にした「標準報酬月額」というものを使って計算しますが、国民健康保険料は世帯を単位として、被保険者の人数や収入・年齢によって異なります。社会保険には扶養という制度があり、一定の...続きを読む
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2021年10月23日(土曜日)
後期高齢者医療制度
74歳までは、協会けんぽや健康保険組合、国民健康保険等に加入しますが、75歳になると「後期高齢者医療制度」の対象になります。特に申請は不要で、誕生日までに後期高齢者医療被保険者証が送付されます。保険料の窓口負担は原則として1割負担になります。神戸市の人口約150万人に対して、65歳以上の方が約40万人、うち75歳以上の方が約20万人になるそうです。高齢化率は上昇傾向にあり、要支援者、要介護者の増加、一人暮らし高齢者の割合も増加しており、介護人材は全国的に不足しているようです。少子高齢化の進展や人口減少などの課題を克服し、地方創生の実現のため、神戸市では「神戸2025ビジョン」という取り組みを行っています。高齢化や人口減少がすすめば、社会保障制度の見直しも行われます。定年年齢の引き上げや、パ...続きを読む
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2021年10月22日(金曜日)
正社員の定義
就業規則には「従業員の定義」や「雇用区分」といった項目で、正社員と他の雇用区分に関しての定義が記載されていますが、「正社員」に法律で決められた定義はありません。一般的には・期間の定めがない雇用契約であること・フルタイム勤務であること・直接雇用であることの3点が、共通した正社員の定義になるかと思います。フルタイムも事業所によって所定労働時間は様々ですので、何時間働けばフルタイムとは決まっていません。また、正社員の中にも、「総合職」「一般職」に分かれていることもあり、勤務地や職務内容、労働時間によって区分されていることもあります。従業員の区分をどうするかは、基本的には会社の判断になりますが、採用時に雇用契約書で雇用区分とその内容をしっかり理解してもらうことが重要です。特に昇給や賞与など、賃金に...続きを読む
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2021年10月21日(木曜日)
インフルエンザ予防接種に関して
毎年10月に入るとインフルエンザの予防接種を受ける方が出てくるタイミングです。インフルエンザが社内で流行してしまうと、業務に大きな影響が出るため、予防接種を受けるよう勧められることもあるかと思いますが、コロナワクチンと同様に、人それぞれ考え方は異なります。会社によっては、費用は全額会社負担とし、全員に接種を義務付けているケースもあるようですが、問題はないのでしょうか?会社が費用を負担してくれるのであれば、積極的に受けるという方も多いかと思いますが、接種を義務付けることはできません。基本的に個人の判断によるものですので、仮に社内のルールで接種を義務付けている場合で、接種しないと懲戒の対象になるような場合には、権利の乱用になると考えられます。予防接種には、人それぞれの健康状態やアレルギーの問題...続きを読む
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2021年10月19日(火曜日)
研修・勉強会の注意点
従業員の能力向上、モチベーション向上のために研修や勉強会を実施している企業は多いかと思いますが、それが使用者の指揮命令の下に行われており、実態として参加が強制されている場合は「労働時間」となります。通常の労働時間と合わせて6時間超、8時間超の場合には、休憩のルールも適用されるため、自由参加の場合は、研修内容を検討すると共に、自由参加と言える根拠を明確にしておく必要があります。例えば、自由参加と言いながらも、参加・不参加で人事考課に影響したり、参加しないと業務に必要な知識や技術が習得できない場合には、参加せざるを得ないため、労働時間と判断される可能性が高くなります。明らかに任意参加の研修であれば、労働時間とする必要はありませんが、研修後にレポートを提出させる場合には、レポートの作成時間は労働...続きを読む