Q&A
2021年9月29日(水曜日)
通勤途中の事故は労災になる?
通勤災害とは、労働者が通勤によりケガをした場合等に、労災保険法上の通勤災害となります。
業務上の労災と近いものではありますが、申請書の様式や、要件に違いもあります。
よく問題になるのが、「合理的な経路及び方法」による通勤であるか否かという点です。
住居と就業の場所を、最短距離で寄り道せずに移動していた場合や、会社に届け出ていた経路であれば特に問題になることはありませんが、プライベートな都合で、寄り道していた場合や、会社に届け出ていた経路と異なる経路、方法で通勤している途中に起こった事故であればどうなるのでしょうか?
まず、会社に届け出ている経路は、一般的に「通勤手当」を合理的に算出するためのものであって、労災保険法上の合理的な経路であるかどうかとは分けて考えます。また、通勤途中の寄り道に関しては、移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合は、逸脱又は中断の間、及びその後の移動は「通勤」とはなりません。ただし、逸脱又は中断が、例えば日用品の購入など、日常生活上必要な行為であって、やむを得ない場合であれば、逸脱、中断の時間以外は通勤と認められるケースもあります。これに関しては厚生労働省令で定められています。通勤災害に関しては、自動車保険との関連もあり、また、会社に届け出ている経路と異なる道中で発生した場合には、労働者が会社に報告しない場合もあるかと思いますが、労災と認められる場合も多くありますので、まずは会社に報告するよう、周知しておいた方が良いかと思います。労災が発生した場合の会社の対応次第で、従業員との信頼感を構築できる機会にもなります。
神戸市元町の「もとまち社労士事務所」では、会社も従業員も安心して本業に注力できるよう、基本的なリスクヘッジから助成金の提案まで、総合的なサポートを行っております。開業間もない事業主様や、法人成り、事業継承のタイミングで労務管理の見直しを検討されている方も、お気軽にご相談ください。