Q&A
2021年10月18日(月曜日)
管理監督者とは?
名ばかり管理職という言葉がありますが、管理監督者に関しては、労働基準法第41条で定義されています。
【労働基準法 第41条】
この章,第6章及び第6章の2で定める労働時間,休憩及び休日に関する規定は,次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
① 別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
② 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
③ 監視又は断続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を受けたもの
一定の労働者に関しては、労働時間・休憩・休日の規定が適用されない旨を定めています。つまり、第41条で定める労働者は、残業や休日出勤をしたとしても、残業代や休日出勤手当を支払う必要はないということです。
管理職という言葉は幅広く使われますが、管理職と管理監督者が同じとは限りません。管理職とは、部下を管理するポジションにいる人のことを言いますが、その定義は会社によって様々です。一方、労働基準法第41条の管理監督者は、その役職だけで判断するのではなく、実態としての職務内容・責任と権限・勤務態様・賃金等の待遇などを考慮して判断します。
例えば、会社のルールとして、「主任以上の役職の者を管理監督者として残業代、休日出勤手当の対象外とする」としていたとしても、その会社で主任の役職の者が、役職のない従業員と同じ職務内容で、責任も権限もなく、役職手当ももらっていないのであれば、労働基準法第41条の管理監督者とは認められないということになります。
責任や権限については、はっきりと決めることが難しい場合もあるかと思いますが、「役職手当」は明確に金額で示されますので、その者が管理監督者であるかの大きな判断基準になります。
ひとつの基準として、役職手当をもらう場合の支給総額が、役職のない時の残業代を含んだ支給総額を下回らないことを確認します。役職が付くことで、支給総額が減ってしまい、責任だけが増えるのでは、大抵の労働者はモチベーションが下がってしまいますので、賃金だけで判断する訳ではありませんが、多くの事業所ではそのラインを考慮して役職手当を決定します。
賃金の構成や人事評価制度は、一度定めると、後から変更する場合には、一部の労働者に不利益にならない様に様々なことを考慮して決定します。既存の給与規定の見直しを検討されている方も、これから規定を作成される方も、神戸で社会保険労務士をお探しの事業主様は、もとまち社労士事務所へお気軽にお問い合わせください。