コラム
2021年10月7日(木曜日)
扶養の年収基準
10月に入り、今年もあと3ヶ月を切りました。扶養の範囲内で働かれている方の中には、自身の年収が気になる時期でもあります。
社会保険法上の扶養に入るためには、いくつか要件がありますが、年収130万円未満であること、という要件があります。この130万円未満という要件は、結果的に130万円を超えないように調整するというより、月額で1,300,000円÷12=108,333円を超えないようにしておくことが基本なのですが、健康保険組合などでは、結果としての年収を、給与証明等で確認する場合もあります。
また、よく103万円という基準も耳にされるかと思いますが、これは所得税法上の扶養の要件で、社会保険法上の年収とは、計算が若干異なります。
大きな違いとしては「通勤手当」があります。所得税法上では、通勤手当は一定の金額は「非課税」とされており、年収に含めません。一方、社会保険法上では、通勤手当も年収に含めて計算するため、130万円の基準と、103万円の基準は分けて考える必要があります。
【例】
基本給100,000円×12か月=1,200,000円
通勤手当20,000円×12か月=240,000円(全額非課税とする)
この場合、所得税法上の年収は120万円ですが、社会保険法上では144万円になります。
源泉徴収票の支払金額には、非課税分の通勤手当は記載されないため、源泉徴収票で確認した場合、年収120万円だと思っていたら、通勤手当を含めた金額は144万円ということになります。
社会保険法上の扶養制度は非常に優遇された制度ですが、いつまでこの制度が続くか分かりません。
また、定期的に扶養に関する調査も実施されており、扶養から外れなければならなくなった場合、遡って社会保険料を徴収されることもあります。
扶養の範囲内で働かれている従業員のいる事業主様はお気軽にお問い合わせください。