コラム
2021年9月21日(火曜日)
労働契約の期間の上限に関して
労働契約とは、使用者の指揮命令下において、労働者が労務を提供し、その対価として使用者は賃金を支払う契約です。
契約期間は、パートタイマー・アルバイトであれば、1年ごとに更新されるケースが多いかと思いますが、
内容によっては数か月であったり、1日限りの契約というケースもあります。
労働基準法第14条では、以下のように定められています。
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(高度で専門的な知識等を有する者を雇い入れる場合や満60歳以上の者との労働契約を結ぶ場合には5年)を超える期間について締結してはなりません。
期間に上限が定められているのは、かつて封建的な身分拘束が行われており、これを防止するため
当初は最長1年とされていました。
なお、期間の定めのない労働契約もあります。いわゆる終身雇用を念頭においた、定年まで働くことが予想されている雇用契約ですが、労働契約の上限は、労働契約の期間を定める場合の上限ですので、
これは問題ありません。
ただし、定年は60歳を下回ることはできず、65歳までの雇用確保の措置を講じなければなりません。
また、以下の法改正により、70歳までの雇用が努力義務となっています。
少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されています。
※この改正は、定年の70歳への引上げを義務付けるものではありません。
このの改正は、個々の労働者の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設けるものです。