Q&A
2021年10月25日(月曜日)
役員は雇用保険に入れない?
労災保険と雇用保険は、「労働者」が加入するものです。法人の役員は、使用者の指揮命令下にある者ではなく、業務執行権を持つ者になりますので、労災保険にも雇用保険にも原則として入ることはできません。これまでいち労働者として勤務していた人が、取締役などの役員になった場合には、資格を喪失することになります。
ただ例外もあります、肩書が役員であっても、実態として使用者の指揮命令下におかれ、他の従業員と同じように就業規則が適用され、勤怠管理をされているような場合には、「兼務役員」として、労働保険(労災保険+雇用保険)に加入できるケースがあります。
兼務役員として雇用保険に加入する場合、「役員報酬」と「給与」を分ける必要があります。
役員としての業務に対して支払われるものは「役員報酬」となり、労働者としての業務に対するものは「給与」となります。
この場合、役員報酬と給与、それぞれ金額を決めて支給することになりますが、雇用保険料は給与に対してのみ保険料率を乗じた金額になり、失業時の給付額も、給与のみを考慮した金額になります。
注意点として、役員報酬の方が給与より高額になると、労働者としての性格が低いと判断され、雇用保険に加入できない可能性が高くなります。
兼務役員となる場合、労災保険は特に手続きは必要ありませんが、雇用保険は「兼務役員雇用実態証明書」に登記簿などを添付してハローワークへ提出することになります。
手続きの際には行政は書類の内容をチェックしますが、調査があった際には、帳簿などの書類も重要ですが「実態」が重要視されます。
手続きと規定の内容は常に整合性が求められます。
もとまち社労士事務所は、最も必要なことを掘り下げ、実態と乖離することのない、かつ助成金も考慮した提案を実施しております。
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