コラム
2021年11月16日(火曜日)
使用者と労働者の定義
労働基準法第9条で、労働者とは
「職業の種類を問わず、事業又は事業所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」とあります。
言い換えると、「使用者の指揮命令下において、労働力を提供し、その対価として賃金を得る者」といったところかと思います。
従って、指揮命令下にない役員や、請負契約の場合は、原則として労働者にはなりません。
※実態は労働者の派遣であるにも関わらず、形式上のみ請負契約となっている場合、偽装請負になってしまうケースがあります。
使用者に関しては、労働基準法第10条
「使用者とは、事業主または事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」
労働者に比べ、やや曖昧な表現のような気がします。
「労働者に関する事項について」とありますので、少なくとも部下がいる人間、何らかの役職のある、管理的な立場の人間であることが読み取れます。しかし、場面によってはこの時の使用者も、労働者になることも考えられます。代表取締役であれば、ほぼ間違いなく使用者と言ってよいかと思いますが、取締役であっても実態としていち労働者と同じように、指揮命令下において業務に従事している場合には、その状況下においては使用者ではなく労働者と言えます。
仮に労働基準法に違反した場合に、処罰の対象となる使用者とは、単純には決められず、実態によって異なります。地位や権限が判断のポイントになりますので、管理監督者と同様に、可能な限り会社と本人の認識を一致させておき、就業規則に記載しておく方が良いかと思います。
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社会保険労務士:小林亮介