コラム
2021年10月11日(月曜日)
労基署の調査、是正勧告に関して
労働基準監督署の調査には、定期的に行っているものと、内部告発等何かしらの事情があって行われるものがあります。定期調査では、事前に電話や郵便等で連絡が入るケースが多く、日程に関しても指定はされますが、ある程度はこちらの要望も聞いてくれます。対して内部告発などがあった場合では、突然立ち入り調査にやってくる場合もあります。どちらの場合も事業主様にとっては神経を使うところですが、調査が来た以上は、ある程度の日程調整はできても、受けない訳にはいかないため、時間のある限り準備を整える必要があります。
最も注意すべきは「残業代の未払い」と「長時間労働」の2点かと思います。仮に長時間労働になっている従業員がいたとしても、本人と同意の上で雇用契約書が適正に結ばれており、残業代がきっちり支払われていれば、あまり大事になることは少ないように思いますが、本人が強制的に時間外労働を強いられていると感じていたり、雇用契約書が締結されていなかった場合には、何かしらの是正勧告を受ける可能性が高くなります。長時間労働に加えて、残業代が支給されていないと判断された場合には、何か説明できるだけの対策を打っていない場合は、どうしても違法になってしまいます。
調査では、立ち入りの場合でも、こちらから労働基準監督署へ訪問する場合でも、資料の提示を求められます。基本的な法定帳簿である「賃金台帳」「労働者名簿」「出勤簿」「有給管理簿」、これに加えて「36協定」「雇用契約書」「就業規則」なども多くの場合準備しなければなりません。業種によって安全管理体制を厳しくチェックされる場合もあります。
労働基準監督署の担当官も、こちらの事情を考慮してくれない訳ではありません。出来る限り改善の努力はしているが、まだきっちり整備されていない段階であったり、労務管理が不十分になっている場合でも、問題を認識しており、改善の意識をもって努力していることを理解してもらえれば、完璧を求めてくる訳ではありません。調査が来た以上は、非がある部分は認め、改善すべき点は今後改善する意思を示すことが重要です。当然ですが最も良いのは、前もって法定帳簿や36協定、雇用契約書、就業規則等を適正に整備しておくことです。
開業後数年が経過している事業主様は、仮に問題が発生していなくても、定期調査の対象になる可能性があります。神戸の社労士事業主、もとまち社労士事務所では、労働基準監督署、年金事務所の調査に全面的に対応致します。一から労務の整備を進められる方も、現状のチェック・改善を希望される方も、お気軽にご相談ください。