Q&A
2022年4月15日(金曜日)
完全歩合制(フルコミッション)で雇用するのは違法?
完全歩合制(フルコミッション)とは、成果に応じて報酬を支払い、成果がゼロの場合には金銭を全く支払わない制度です。完全歩合制を採用して従業員を雇用することは問題ないのでしょうか?労働基準法に「出来高払い制の保障給」というものがあります。使用者は労働時間に応じ、一定額の賃金の保障しなければならないというものです。また、最低賃金法による「最低賃金」以上を支給する必要もあるため、結論として、完全歩合制(フルコミッション)で雇用契約を結ぶことはできません。どうしても完全歩合制で人を採用したい場合には、「雇用」という関係ではなく、業務委託という関係になります。この場合は、使用者と従業員という関係ではなく、個人事業主との業務委託契約になり、支払われる金銭は、受け取る側から見て「給与所得」ではなく「事業所...続きを読む
Q&A
2022年3月23日(水曜日)
役員報酬ゼロの場合社会保険の加入はどうなる?
法人は社会保険に加入する必要があります。法人の代表者は社会保険の資格を取得し、役員報酬額に応じて保険料が徴収されますが、開業間もない場合や、業績不振により役員報酬を支給しない場合には、保険料の徴収はどうなるのでしょうか? 社会保険料は役員報酬や給与額をもとに、「標準報酬月額」というものを使って、等級別に保険料が徴収されますが、役員報酬がゼロの場合は、保険料を徴収することができません。当初から役員報酬がゼロの場合は加入することが出来ず。社会保険に加入していたものの、ある時点で役員報酬をゼロにした場合には、社会保険の喪失手続きが必要になります。 従業員がおらず、代表者1名のみの事業所の場合は、社会保険加入者がいなくなることになりますが、法人として継続しているのであれば、事業所としては「社会保...続きを読む
Q&A
2022年2月17日(木曜日)
役員は雇用保険に加入できる?
労働者を雇用する事業所では、原則として雇用保険に加入しなければなりません。雇用保険の目的は、労働者が失業した場合や、雇用の継続が困難になったとき、生活や雇用の安定を図るため、必要な給付を行うことです。正社員であれば加入義務が生じます。パートタイマーやアルバイトであっても、31日以上の雇用見込みがあり、週の所定労働時間が20時間以上であれば、加入することになります。では役員の場合は、そもそも「労働者」とは異なる立場ですが、加入することは出来るのでしょうか?法人の取締役や役員は、原則として雇用保険に加入することは出来ません。ただし、会社の役員ではあるものの、実態として一般の従業員と同じように勤務している場合、雇用保険に加入できる場合があります。労務管理や賃金、待遇などから判断し、雇用関係がある...続きを読む
Q&A
2022年2月10日(木曜日)
法人成りすべきタイミングは?
個人事業主として独立・開業された方のうち、多くの方がどこかのタイミングで法人成りを検討されます。法人成りの良いタイミングとは、どう判断すれば良いのでしょうか?【節税効果】税理士の先生からアドバイスを受けて、法人成りを検討するケースも多いかと思います。個人事業主の間は「所得税」を納付しますが、法人になると「法人税」になります。所得税は「超過累進税率」が用いられているため、所得が増加するにつれて税率も高くなります。(※現在は5%~45%)対して法人税は、所得が800万円までは15%、800万円超の部分は23.2%です。(資本金1億円以下の中小企業)また、消費税は個人事業主であっても課税売上高が1000万円を超えると課税事業者になりますが、法人成りをすると、2年間は免除期間があります。法人税と消...続きを読む
Q&A
2022年1月21日(金曜日)
アルバイトとパートタイマーは何が違う?
アルバイトとパートタイマーには、法律上明確な違いはありません。定義も企業よって様々です。一般的には、アルバイトは学生、パートタイマーは社会人の主婦や主夫を指すことが多いようです。勤務時間の長さや時間帯で区別しているケースもあります。アルバイトであれば、学校が終わってからの夕方以降の時間帯、パートタイマーは日中のイメージでしょうか、勤務時間はパートタイマーの方がやや長くなる場合が多いようです。雇用保険は週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることが加入要件です。アルバイトも、パートタイマーも要件を満たせば加入する必要がありますが、昼間学生は雇用保険法上、原則として労働者として扱わないため、加入義務はありません。パートタイマーの場合は、雇用保険の他、社会保険や所得税法上の...続きを読む
Q&A
2022年1月14日(金曜日)
退職して起業したら失業手当は受け取れない?
失業した場合に受け取ることが出来る失業手当ですが、失業給付と呼ばれたり、名称がハッキリしないと思ったことのある方もいるかもしれません。正確には、雇用保険法上給付のことを「失業等給付」と言います。その中に「求職者給付」があり、その中の「基本手当」と呼ばれる給付が、一般に失業手当や、失業給付と呼ばれるものです。この給付を受けるためには、まずハローワークに来所し、求職の申し込みを行う必要があります。そして就職しようとする意志があること、いつでも就職できる状態であることが要件です。従って、退職後、転職先が決まっていない状態は要件に該当しても、退職後起業する場合には、そもそも就職しようとする意志がないと判断され、失業手当を受給することはできません。ただ、中にはフリーランスとしての収入確保を模索しなが...続きを読む
Q&A
2022年1月13日(木曜日)
退職金は確定申告が必要?
2021年の年末調整も終わりが見えてきましたが、中には別途確定申告をする方もおられます。会社員が確定申告をするケースで多いのは、住宅ローン控除を受ける初年度の申告かと思います。住宅ローン控除は、初年度に限り自身で確定申告をする必要があるため、すでに申告を経験された方も多いのではないでしょうか?住宅ローン控除に関しては、借入の際に銀行や不動産業者から説明を受けるため、申告を忘れていたり、申告の方法が分からないということはあまり無いかと思いますが、たまに質問を受けるのが「退職金」に関する取扱いです。2021年中に転職等で退職金の支給があった場合、確定申告は必要なのでしょうか?退職金は、所得税法上「退職所得」に分類されます。給与は「給与所得」ですので、所得税法上は別の所得として考える必要がありま...続きを読む
Q&A
2022年1月5日(水曜日)
割増賃金を計算するには年間休日数を決める?
兵庫県神戸市中央区の社会保険労務士事務所、もとまち社労士事務所の小林です。当事務所では給与計算のアウトソーシングも承っておりますが、割増賃金の計算は給与計算業務の中でも非常に重要です。逆に言えば、割増賃金の意味を理解していれば、労働時間や休日に関する考え方が理解出来ていると言えます。対象者が時給者であれば、割増賃金の計算はそれほど難しくありません。時給1000円であれば、法定労働時間を超えた場合の時間外手当は割増率25%以上ですので、時給1250円以上を支給する必要があります。月給者の場合、1時間当たりの賃金を算出します。そのためには、その人の年間所定休日日数を把握する必要があります。【例】基本給 24万3000万円 1日あたりの所定労働時間 8時間 年間所定休日日数 120日36...続きを読む
Q&A
2021年12月26日(日曜日)
アルバイトが無断欠勤をした上連絡がとれない、どう対応すべきか?
神戸市の社労士事務所、もとまち社労士事務所です。社会保険・労働保険に関する諸手続き業務、就業規則の作成・改訂、助成金申請代行、行政調査対応等を承っております。先日ある飲食店に行った際、店長と思われる方と、学生のアルバイトらしき方が険悪な雰囲気で話をしていました。聞こえてきた内容は、おそらくアルバイトの方が無断欠勤をした後、そのまま退職することになったようです。推測すると、最後の給与が支給日に支払われず、そのことを店側に連絡したところ、店長より店にくるように言われ、気まずいながらも呼び出しに応じたといった感じでした。自分が学生時代にアルバイトをしていた時も、同じようなことがありました。一緒に働いていたアルバイトが、ある日シフトが入っているのに店に来ず、社員が電話をしても繋がりませんでした。当...続きを読む
Q&A
2021年12月21日(火曜日)
役員報酬の変更はいつでもできる?
神戸市中央区、元町駅の近くで開業しております「もとまち社労士事務所」社会保険労務士の小林です。従業員の給与を変更する場合、不利益変更にならないか、月額変更届を提出する必要はあるのか、給与規定や雇用契約書に沿った内容かなど、色々と検討した上で決定します。役員報酬を変更する場合も、従業員の給与と同じように考えれば良いのでしょうか?社会保険法上、役員も従業員も、適用事業所である会社に使用される者として、支払われる「役員報酬」や「給与」は「報酬」として同じように扱われます。しかし、税法上は「役員報酬」と「給与」は明確に区別する必要があります。役員報酬は原則として毎月定額が支払われるものであり、損金(経費)として計上できるものは、毎月の定額分までです。役員報酬には定期同額給与というルールがあり、事業...続きを読む