コラム
2022年1月6日(木曜日)
年次有給休暇の時季指定
2019年4月から、年次有給休暇の付与日数が10日以上の労働者に対して、年5日以上の有給休暇を取得させることが、事業主の義務になっています。また、時季指定を行うためには、就業規則にその旨を記載する必要があります。【規定例】「年次有給休暇が10日以上与えられた労働者に対して、付与日から1年以内に、当該労働者の有する年次有給休暇のうち5日について、労働者の意見を聴取し、その意見を尊重したうえで、あらかじめ時季を指定して取得させる。」有給休暇に関しては、ここ数年で労使ともに認識が大きく変化してきていることを実感します。有休を適正に管理するためには、まずは本来の休日を明確にする必要があります。先日のトピックスでも記載しましたが、年間休日数を決めてしまい、年間のカレンダーを作成するのが最も分かり易い...続きを読む
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2021年12月27日(月曜日)
賃金控除に関する協定書
給与明細には出勤日数や労働時間の他、支給項目と控除項目が記載されています。健康保険料や雇用保険料、源泉所得税などの項目は、一定の要件に該当すればどこの勤務先でも共通の項目ですが、弁当代や会費、財形貯蓄など、勤め先によって独特な項目が記載されているケースもあります。給与の支払いに関しては、「賃金支払いの5原則」という原則があります。これらの項目を給与から控除することに問題はないのでしょうか?賃金支払いの5原則は、「通貨」で「直接」「全額」を「毎月」「一定期日」に支払うというものです。先ほどの控除項目は、この中の「全額払いの原則」に違反していることにはならいのでしょうか?全額払いの原則には例外があり、法令に別段の定めがある場合には、所得税や社会保険料に関しては控除しても良いことになっています。...続きを読む
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2021年12月24日(金曜日)
テレワーク(中抜け時間)
コロナ禍で多くの企業がテレワークを導入しました。感染者数は落ち着きを見せていますが、継続してテレワークを実施している企業も多いようです。労働者のテレワークに対しての感じ方は様々で、ストレスが減り、生産性も向上したと感じている人もいれば、仕事とプライベートの線引きが難しく、出社していた時より労働時間が増加した人もいるようです。テレワークを実施する場合でも、労働基準関係法令は同様に適用されますので、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、労働者災害補償保険法などを遵守しなければなりません。近年では「働き方改革」の影響もあり、勤務時間に関しては特に適正に管理する必要があります。例え自宅勤務であっても、使用者には労働者の勤務時間を適正に管理する責任があります。始業と就業の時刻に関しては、毎日同時刻...続きを読む
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2021年12月13日(月曜日)
休憩の考え方
休憩に関しては、労働基準法第34条に規定されています。労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を与えなければならないとされています。例えば、労働時間が6時間の場合は、6時間を超えてはいないため、休憩時間を与えなくても大丈夫です。もちろん、休憩時間を与えても適法です。休憩時間は分割して付与することも可能です。例えば、労働時間が7時間の場合、45分間の休憩時間を与える必要がありますが、15分を3回取得するような方法も適法です。休憩とは、労働から完全に離れた状態である必要があります。例えば、お昼休憩となっていても、電話や来客に対応しなければならない状態は、休憩とは認められません。また、休憩時間終了の5分前までに、席に着席するというようなルール...続きを読む
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2021年12月10日(金曜日)
キャリアアップ助成金(賃金3%UP要件)
神戸市の社会保険労務士事務所、もとまち社労士事務所です。キャリアアップ助成金は数ある助成金の中でも有名なものですが、支給要件のひとつに、「転換後6ヶ月の賃金が、転換前6ヶ月の賃金と比較して、3%以上増額していること」というものがあります。※毎年%は見直されます。この3%は、たまたま総支給が3%以上になっているだけではダメで、基本給や固定的な諸手当で3%以上増加している必要があります。また、その固定的諸手当に関して、就業規則や賃金規定で具体的な内容について定めをしておく必要があります。例えば、「役職手当」や「役付手当」であれば、一般的には毎月定額が支給されるケースが多いかと思いますが、中には毎月変動する性質の場合もあるかもしれません。就業規則や賃金規定で、係長は定額3万円、課長は定額5万円、...続きを読む
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2021年12月8日(水曜日)
月額変更届(随時改定)
標準報酬月額は、年に1回「算定基礎届」により決定されますが、昇給などで年の途中で報酬が大きく変動する場合には、「月額変更届」を提出することで、算定基礎届を待たずに、標準報酬月額を適正な金額に改定します。社会保険法上は、「随時改定」と呼ばれることもありますが、実務においては「月額変更届」と呼ばれることが多いかと思います。略称で「げっぺん」とも呼ばれます。原則として、以下の3つの要件を満たす場合に、月額変更届の対象になります。①固定的賃金に変動がある②支払基礎日数が17日以上ある③変動した月から3ヶ月の標準報酬月額の平均が、変動前の標準報酬月額と比較して2等級以上差がある昇給によって月給者の基本給が上がった場合や、時給者の時給が上がった場合、役付手当や住宅手当、家族手当などの固定的な手当が変更...続きを読む
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2021年12月7日(火曜日)
傷病手当金
兵庫県神戸市で開業しております「もとまち社労士事務所」社会保険労務士の小林です。JR三宮駅から徒歩15分、JR元町駅から徒歩3分の立地で営業しております。協会けんぽでは、様々な保険給付を行っていますが、「傷病手当金」という言葉を聞いたことのある方も多いかと思います。原則として、以下の4つの条件を満たした場合に支給されます。①業務に関係のない病気やケガで休んだ場合②療養のため仕事ができないこと③仕事ができない期間が4日以上④休業中に給与の支給が無いことそれぞれにもう少し細かい決まりはありますが、大まかに言うとこの4つです。4つ目の「給与の支給が無いこと」に関しては、一部だけ給与の支給があった場合には、全額が支給停止になる訳ではなく、減額措置になります。たまに、傷病手当金を受給して休業している...続きを読む
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2021年12月3日(金曜日)
人事評価制度
兵庫県神戸市中央区で開業しております、「もとまち社労士事務所」社会保険労務士の小林です。兵庫県全域で、労務相談、社会保険・労働保険に関する手続き、就業規則の作成・改訂、助成金申請代行、人事制度構築、給与計算サポートなどを承っております。事業が軌道に乗ってくると、従業員数が増えていき、人事評価制度を導入する必要が出てきます。会社への貢献度の高い従業員には高い評価を与え、地位や役職、賃金に反映させる仕組みです。ある程度の人数までは、代表者が日ごろの仕事ぶりなどから評価を行うことも可能ですが、人数が増えてくるにつれ、従業員個々の担当する業務は様々なものになってくるため、社長の判断で全従業員の評価を行う事は難しくなります。また、ずっと代表者が評価の裁量を全て持っていたのでは、代表者に気に入られるこ...続きを読む
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2021年11月29日(月曜日)
代表取締役変更時の手続き
神戸市の社会保険労務士事務所、もとまち社労士事務所です。兵庫県神戸市のJR元町駅から徒歩3分のビル5階で営業しております。代表取締役が変更になった場合には、「事業所関係変更(訂正)届」を、管轄の年金事務所、又は事務センターに提出します。事業所関係変更届は、様々なケースで使用します。代表者の氏名が変更になった場合や、事業所の電話番号が変更になった場合、昇給月や賞与支給月の変更の場合にも、事業所関係変更届を提出します。労働保険では、「労働保険名称・所在地等変更届」を管轄の労働基準監督署に提出します。また、雇用保険では、「雇用保険事業主事業所各種変更届」を管轄のハローワークに提出します。※事業所が、一元適用事業か、二元適用事業かによって提出先は異なる場合があります。社名や代表者、所在地や連絡先が...続きを読む
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2021年11月28日(日曜日)
労働基準監督署の調査
もとまち社労士事務所、社会保険労務士の小林です。兵庫県神戸市中央区で開業しております。(JR三宮駅から徒歩15分、JR元町駅から徒歩3分)新型コロナウイルスの感染者数は落ち着きを見せています。それに伴ってか、労働基準監督署の調査が最近頻繁に実施されているようです。調査は、労働基準監督署に事業主が訪問して行われる場合もあれば、事業所に担当官が来社して実施される場合もあります。提出や提示を求められる資料は様々ですが、法定帳簿(労働者名簿・出勤簿・賃金台帳・有休管理簿)、雇用契約書、就業規則、36協定などは多くの場合に必要になります。働き方改革の影響もあり、ここ数年は長時間労働に関しては特に厳しく調査されている印象です。事前に準備すべき資料は、調査の案内が来た時点では整備されていなかったとしても...続きを読む